2011年7月1日金曜日

ポジティブ意識とネガティブ意識(1)

スピリチュアルな本の中には、ポジティブな存在や、ネガティブな存在の話がでてきます。宇宙の中でのポジティブ側と、ネガティブ側との長年に渡る争いの話が出てくる本もあります。
ポジティブな意識とネガティブな意識、ポジティブ側とネガティブ側、ポジティブな存在とネガティブな存在など、いろいろな言い方がありますが、ほぼ同じ事を指しているようです。
ネガティブ側のことを、ダークサイドと言う人もいます。そうするとポジティブ側はあまり聞きませんが、ライトサイドと呼ぶべきでしょうか。

ポジティブ意識の側からネガティブ意識の側へ行く事をダークサイドに落ちた、という言い方もあります。このような娯楽映画もあります。そうはいっても、ダークサイドだからといって、必ずしも悪人然としているわけではありません。ダークサイドだから黒い服を着たり、犯罪者のようであるわけではありません。ダークサイドであろうとも、外見上はあまり変わらないのです。
ネガティブ意識の存在は、単純な意味での悪いやつらではありません。どこか宇宙のかなたの話ではなく、私たちの周りにはポジティブ意識の人間もネガティブ意識の人間もいます。ネガティブ意識の人間だからといって必ずしも犯罪者ではなく、普通の人として一緒に暮しています。
ではダークサイド(ネガティブ側)では、何が意識の上でライトサイド(ポジティブ側)と変わるのでしょうか。これが良く分りません。


根本に戻って、考えてみることにします。ここで使われている言葉である、ポジティブ側とネガティブ側とか、ポジティブ意識とネガティブ意識とは、どんな意味で用いられているののでしょうか。
今ひとつ意味がはっきりしないと思っていました。私にはニューエイジなどで述べられている、解説を読んでも良くつかめなかったのです。

ポジティブな存在は、愛や光に満ちたものであると説明するものもありますが、これも意味を正確には表してはいません。ここでいう愛や光に満ちているというのは、ポジティブ意識の存在が持つ、派生した特徴の一つにすぎないのではないでしょうか。
また、ポジティブな存在は人の自由意志を尊重し人を操作しない、一方ネガティブな存在は人の自由意志を尊重せず人を操作する、という説明もありました。これもポジティブな存在は、なぜ人の自由意志を尊重するのかというの説明がなく、ポジティブな意識の本質というより、やはり派生した特徴の一つにすぎないように思えました。
これだけの説明では、ポジティブ意識とは何かの定義にはなりません。これはポジティブな意識が、どんな意識なのか、何を指してポジティブな意識と言っているのかがよく分らないのです。


最初、ポジティブな意識とは、自己啓発書でいうポジティブ思考(ポジティブ・シンキング)のことかと思ったりしました。普通、世間一般ではポジティブというと、ポジティブ・シンキングのことを指していることが多いと思います。ポジティブ思考(ポジティブ・シンキング)は、一般にも書籍などで知れ渡っています。

ポジティブな意識という場合は、確かにポジティブではあるのでしょうが、どうも何か意味合いが違うように感じました。しかしその違いが何なのか、違いがどこにあるのか、が分らなかったのです。
ポジティブ・シンキングでいうような、ポジティブ思考している意識を指して、ポジティブな意識存在と言っているようには思えませんでした。

ポジティブ思考とは、いつでも前向きに積極的に考えることですが、ここでいうポジティブ意識は、単純なポジティブ・シンキングの意味とは違っているように思われます。

一般的なポジティブ思考(ポジティブ・シンキング)の考え方は、次のようなことでしょう。

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・ポジティブ思考(ポジティブ・シンキング)
物事を積極的(肯定的)な方向に考える思考のことである。
何事でも、できると前向きに積極的に考えて、物事に取り組む姿勢を指す。
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・ネガティブ思考(ネガティブ・シンキング)
物事を消極的(否定的)な方向に考える思考のことである。
何事でも、できないと消極的に考えてから、物事に取り組む姿勢を指す。
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ポジティブ思考(前向きに積極的に考えて取り組む)と、ネガティブ思考(後向きに消極的に考えて取り組む)という意味ならば、誰でもポジティブ思考が良いに決まっています。ポジティブ思考の、前向きに積極的に考えて取り組まなければ、社会的な成功も難しいでしょう。
ポジティブ思考の人とネガティブ思考の人とが、何かについて争った場合を考えて見ましょう。積極的に考えるポジティブ思考の人が、消極的なネガティブ思考の人を圧倒してしまうのではないでしょうか。争いにもならない、一方的なポジティブ思考の人の勝利のように思えます。これでは、ポジティブ側とネガティブ側との、長い争いにはならないでしょう。

このことから自己啓発書でいう「ポジティブ思考とネガティブ思考」と、スピリチュアルな本の中に出てくる「ポジティブ意識とネガティブ意識」、「ポジティブ側とネガティブ側」、「ポジティブな存在とネガティブな存在」という場合のポジティブ・ネガティブの意味とは、少し意味合いが異なって使われていると感じていました。

「ポジティブ意識とポジティブ思考」、「ネガティブ意識とネガティブ思考」、言葉の使い方が大変良く似ていますが、これだけでは同じことを指しているのか、違うことを指しているのかが、はっきりとは分りません。どうも意味合いに似た部分もありますが、本質的に違う部分もあるようです。その違いがどこにあるのかが分りません。このことについて、明確に説明したものも見たことがありませんでした。

ある人が、他の人にポジティブ意識の話をする場合を考えてみましょう。ポジティブ意識やネガティブ意識の内容について詳しい説明がなくて、初めからポジティブな意識が大事だと言われる場合があります。この場合、言われた相手はポジティブ意識がどんなものか正しく認識できているでしょうか。多分、その人が思うところのポジティブという言葉から、何となく連想するポジティブの意味内容を思い浮かべているだけではないでしょうか。話している二人の間では、ポジティブという言葉の意味の上では、正確なコミュニケーションができているのかどうか、という問題が生じてます。話していることが相手には、正確に伝わらないかも知れません。


ここで、もう少し意味をはっきりとさせるために、ポジティブ・ネガティブという言葉から連想する事柄をまとめてみましょう。

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・ポジティブという言葉から連想する事柄
前向き、積極的、肯定的、熱意、浮き浮きした高揚感、
他者への愛、利他的、思いやり、善意、善、
明るい、楽しい、うれしい、喜び、愛しい、好き、幸せ
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・ネガティブという言葉から連想する事柄
後向き、消極的、否定的、やる気のない、暗く落ち込んだ沈滞感、
自己愛、利己的、自分勝手、悪意、悪、
暗い、悲しい、寂しい、恨み、憎しみ、嫌い、不幸せ
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同じポジティブという言葉で表されても、積極的な人と、浮き浮きした高揚した状態の人、善意ある人とは、同じ意味ではないですね。積極的なことと、善意のあることとは、特段の関係もありません。浮き浮きした精神状態であるからといって、善意があるわけでもありません。
同じネガティブという言葉で表されても、消極的な人と、暗く落ち込んだ沈滞した状態の人、悪意ある人とは、同じ意味ではないですね。消極的なことと、悪意のあることとは、特段の関係もありません。むしろ消極的なら、悪意も持てないことが多いのではないでしょうか。暗く落ち込んだ状態であるからといって、悪意があるわけでもありません。


ポジティブ、ネガティブと一言で言ってしまうと、何か同じ意味のことを指しているように思えてしまいます。ですが、実はその言葉が表している内容は、多様に渡るのです。ポジティブ、ネガティブという言葉の意味の幅は、かなり広いのです。
ポジティブの意味の中で、「前向き、積極的、肯定的、熱意」までは、ポジティブ思考の意味の中に含められるでしょう。浮き浮きした高揚した精神状態は、ポジティブ思考の結果もたらされたものでしょう。
「他者への愛、利他的、善意、善」などは、ポジティブ思考とは違う意味の利他的なポジティブな事柄の範疇にはいります。
「明るい、楽しい、うれしい、喜び、愛しい、好き」などは、ポジティブな感情というべきものでしょう。この感情から、幸せ感が生まれます。

同じく、ネガティブの意味の中で、「後向き、消極的、否定的、やる気のない」までは、ネガティブ思考の意味の中に含められるでしょう。暗く落ち込んだ沈滞した精神状態は、ネガティブ思考の結果もたらされたものでしょう。
「自己愛、利己的、悪意、悪」などは、ネガティブ思考とは違う意味の利己的なネガティブな事柄の範疇にはいります。
「暗い、悲しい、寂しい、恨み、憎しみ、嫌い」などは、ネガティブな感情というべきものでしょう。この感情から、不幸せ感が生まれます。


いろいろと調べてみると、ネガティブ意識の人(ネガティブな存在)であると言われる人の中にも、歴史的、社会的に大きな影響を与えた権力者(統治者、独裁者、大統領等)、成功者のように見える人もいます。ネガティブ思考(消極的に考えて取り組む考え方)では、これが可能だとはとても思えません。ネガティブ意識の人(ネガティブな存在)でも、ポジティブな思考(前向きに積極的に考える)を持っていなければ、大きな政治権力を持つような権力者にはなれないのではないでしょうか。
すると、ネガティブ意識は、ネガティブ思考とは違うということになります。

このことから、ネガティブ意識を持つ人とは、いつでもできないと後向きに考える消極的な人のことではない、ということになります。ネガティブ意識でありながら、ポジティブな思考(前向きに積極的に考えて取り組む考え方)を持つことができるのです。ネガティブ意識の人が、消極的で落ち込んでいるわけではないということです。
ネガティブ意識とは、何もできないと消極的に落ち込んだ精神状態のことではなさそうです。ネガティブな意識は、ネガティブな思考を持った人のこととは違うということになります。

ではポジティブな意識とかネガティブな意識とかいっている、このポジティブとネガティブという言葉は、どんな意味で使用しているのでしょうか。そして、ポジティブな意識とネガティブな意識では、何が基本的に違うのでしょうか。

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